GRAN TURISMO
監督:ニール・ブロムカンプ
音楽:ローン・バルフェ
出演:デヴィッド・ハーバー、オーランド・ブルーム、アーチー・マデクウィ、ダレン・バーネット、ジェリ・ハリウェル・ホーナー、平岳大、ジャイモン・フンスー
2023年 アメリカ映画

 

 

 

 

最初はゲーマーの映画かと思い、ゲームをしないおっさんはプロムカンプ監督も遂に子供向け映画に手を出したかと、

ちょっとガッカリしたのですが、実際に観てみると実話の映画化で結構面白かった。

食わず嫌いは良くないですね。

ストーリーは、日産がプレステなどと提携して、人気ゲーム「グランツーリスモ」のプレイヤーの中から、

本物のカーレーサーを育成しようという奇抜なプロジェクトが立ち上げられます。

各国からゲーマーたちが集められ、レーサー育成のアカデミーに入り、

その中から最も成績の良かった1人がサーキットに出ることになる・・というお話。

プロムカンプ作品といえばグロ描写ですが、劇中グロいシーンが全くないので、

途中でプロムカンプ監督作品であることを忘れそうになります。

全体的にベタなスポ根ドラマ風の作りになっていて、熱いものが込み上げてくる仕掛けになっています。

本作品もそうですが、最近日本ロケのある作品が増えてきたなという印象です。円安の影響かなあ。

エンジニア役はデビッド・ハーバー。リメイク版のヘルボーイを演じた人。

イカつい顔立ちですが、戦争映画とか似合いそうだなあと思ってみたり。

オーランド・ブルームは、クレジットを見るまで全然わからなかった。いい具合におっさん化してます。

クライマックスはル・マン24時間耐久レース。

最後は「栄光のル・マン」の2020年代版のようないかにもな展開になりますが、これまた引き込まれます。

グロは無いけど、プロムカンプ監督大復活の一作。

 

音楽は、ローン・バルフェ。

本編、冒頭からヒロイックなモチーフが登場します。

全体を通じてローン・バルフェにしては(失礼)、ヒロイックかつメロディアスがスコアが多い印象です。

ハイブリッドスコアですが、電子音の比重が高いほぼテクノ風のスコアで、なかなか良い。

本編同様、スポ根ドラマ風のスコアになっていて、最近のスコアにしては「燃え」度が高い。

流行りのシーケンスパターンをバックにしたオケスコアで、疾走感溢れるエレキギターが入る曲もあります。

ただ、レースシーンでもスコアが流れるのですが、ここではレーシングカーの爆音で劇伴がよく聴こえない。

このあたりは、別にスコア無しでも問題なく本編の迫力は伝わったかなあ。

スコア以外では、エンジニアのヘッドホンステレオから流れる音楽が全部black sabbathで面白い。

"paranoid"や"war pigs"が流れます。

特に"paranoid"はレースが佳境に入ったところでもかかりまくるので、black sabbathファンにもおすすめ。

また、主人公が聴く音楽が妙におっさん臭くて、ケニー・Gの"songbird"やエンヤの"orinoco flow"などが流れます。

クライマックスでは「ヒート」にも使用されたモービーの"God Moving Over the Face of the Waters"が流れます。

サントラは、ダウンロード版が発売されています。