PAURA NELLA CITTA DEI MORTI VIVENTI
監督: ルチオ・フルチ
音楽: ファビオ・フリッツィ
出演: クリストファー・ジョージ、カトリオーナ・マッコール、ジャネット・アグレン、カルロ・デ・メイヨ、アントネッラ・インテルレンギ、ミケーレ・ソアヴィ
1980年 イタリア映画

 



 

 平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・

 

 



「サンゲリア」のルチオ・フルチのマカロニ・スプラッター映画。

この監督はとにかく「ゾンビ」にこだわり続けた人で、70年代後半から亡くなるまでひたすらゾンビ映画を量産していました。

ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」の亜流を作るうちに、ゾンビものがこの人のライフワークみたいになってしまったようです。

本作は、そんな彼のゾンビものの中でも、ひときわゴア・シーンがエグイ作品でもあります。

本編の進行とは何の脈絡もなく、次々とエグイ手口で人が殺されていきます。

特に女性の口からドロドロ内蔵がはき出されるシーンや、突然男が見ず知らずの男にドリルで頭を貫通されるシーン等、ぎょっとします。

女性の腸吐きシーンでは、動物の内臓が使われたそうですが、劇中女優さんが流す涙はホンモノだそうです。

そりゃあイヤですよね。動物の内臓を口に入れて、吐き出す演技をするなんて(^_^;)

ゾンビが登場するきっかけは、フルチ作品定番の「地獄の門が開かれた・・・・」というくだり。

本作の場合は、神父が背徳行為である自殺をしたことから、門が開いちゃうという設定。

ストーリーはあって無いようなものです。

とにかくゴア・シーンを見せるだけの見せ物小屋的な作品です。

 

 





音楽はフルチ作品の常連、ファビオ・フリッツィ。

フルチ作品の中でも異色のマカロニ・ウェスタンもの「荒野の処刑」「新・復讐の用心棒」では、

ファビオ・フリッツィ、フランコ・ビクシオ、ヴィンス・テンペラの3人が共同で音楽を担当しています。

この人たちは元々ミュージシャンのようで、スコアの中にもロックなフィーリングが見え隠れします。

本作も例外ではなく、イタリアン・ホラー特有の湿っぽい雰囲気のトラックの中にイタリアン・プログレッシブの香りがします。

基本的に同じイタリアのプログレ・バンド、ゴブリンの影響が大きく、ゾンビのメイン・タイトルにそっくりな曲があったりします(^_^;)

劇中、印象的に使われる一番メロのしっかりした曲は、フリッツィが手がけた「サンゲリア」によく似ています。

シンセだけでさほどお金をかけずに作った音楽という印象を受けますが、B級マカロニ・ホラーならではの風合いがあり、これはこれでいい味が出ています。

当然、サントラは国内盤など発売されるハズがなく、イタリア限定のDVDケース仕様のピクチャーディスクCDが入手可能です。

 





・・・と、ここまでが過去記事。

そして、時は流れて今ではダウンロード版も入手可能になっているのでした😁