THE KING'S MAN

監督:マシュー・ヴォーン

音楽:マシュー・マージェソン、ドミニク・ルイス

主演:レイフ・ファインズ、ジェマ・アータートン、リス・エヴァンス、マシュー・グード、トム・ホランダー、ハリス・ディキンソン、ダニエル・ブリュール

2020年 イギリス/アメリカ映画






キャスト一新で描くキングスマンシリーズの前日譚。

ストーリーは、第一次世界大戦を陰で操り世界征服を企む悪の組織の陰謀に立ち向かうため、英国紳士とその仲間が立ち上がる・・・というキングスマン誕生秘話といった趣のお話。

主演に還暦のレイフ・ファインズを持ってくるあたり、いかにも英国映画らしい渋さを感じます。

他のキャストは知らない人が多く、地味な印象を受けますが、ストーリーでカバーしています。

最初は息子が主役かと思ってたら、まさかのサプライズがあります。

本作品では、歴史上の人物を巧みに盛り込んでいて、ラスプーチンやらマタハリやら出てきます。

ラスプーチンは、ロブ・ゾンビかフランク・ザッパ に見える。

第一次世界大戦が背景にあるので、戦争映画を観ているようなお得感もあります。

戦闘シーンでの照明弾発射シーンの構図が斬新。

イギリスのジョージ5世、ドイツのヴィルヘルム2世、ロシアのニコライ2世を一人の役者が演じさせるなど、とぼけた演出もあります。

また、高いところが苦手なおっさんは手にびっしょり汗かいたシーンがありました。

レートはPG12で、ゴア描写は前作よりもさらに控えめにしてあります。

オリジナル・タイトルも余計な文字は加えず潔くシンプルにしてあります。








音楽は、マシュー・マージェソンとドミニク・ルイス。

マシュー・マージェソンは前作でもヘンリー・ジャックマンとスコアを共作しているのでオリジナルのモチーフは健在です。

王道のオールドスタイルなオケスコアがメインなのでおっさんも安心して鑑賞することができます。

テーマモチーフの他にも複数のモチーフがあって、美メロあり、ヒロイックなスコアありでなかなか聴きごたえがあります。

最近のスコアにしては、表情豊かなスコアで素晴らしい。

チャイコフスキーの序曲「1812年」やロシア民謡をアレンジして挿入したり、ユニークなトラックもあります。

エンド・タイトルでテーマモチーフを使った、FKA Twigによる主題歌が流れます。

全編おっさん好みなサウンドのオンパレードでした。

エンド・クレジット 最後に再び「1812年」が盛り込まれます。

充実のスコアなのですが、このエンド・クレジットはサントラに入ってない。なんてこった。

しかもダウンロードオンリーです。これはCDを出して欲しいなあ。