HIGH ROAD TO CHINA
監督:ブライアン・G・ハットン
音楽:ジョン・バリー
出演:トム・セレック、ベス・アームストロング、ジャック・ウェストン、ウィルフォード・ブリムリー、ロバート・モーレイ、マイケル・シェアード、ブライアン・ブレッスド
1983年 アメリカ/ユーゴスラビア/香港映画




80年代B級アドベンチャーの逸品。
当時人気のあったトム・セレックを主演に迎えています。
ストーリーは、ある女性が父の会社を乗っ取られそうになり、会社を守るため国外にいる父の行方を捜す旅に出ることになり、
第一次大戦で撃墜王として名を馳せた男をパイロットに雇い、
北アフリカからインド、ネパール、中国奥地へと冒険を繰り広げる・・・というお話。
ジョン・クリアリーの小説「高く危険な道」が元ネタになっているようですが、映画化にあたってかなり改変されているようです。
冒険活劇としても見せ場の多い作品で、実機の複葉機を飛ばして撮影された映像は迫力があり、
複葉機同士のドッグファイトも用意されています。
この作品、監督がブライアン・G・ハットンで彼の最後の劇場版作品であることは知られていますが、
なんと製作総指揮がレイモンド・チョウ、要はゴールデン・ハーベスト・プロの作品なのです。
ということは、「キャノンボール」や「メガフォース」と同類ということになります。
中国奥地を目指して飛んでいくというストーリーは、そのせいかぁと思ったりしたものです。







音楽は、ジョン・バリー。
メイン・タイトルは、ジョン・バリーお得意の流麗なストリングスによる
美メロでロマンチックなメロドラマ風スコア。
大らかで美しいスコアにうっとりします。

さすが巨匠はこの手の甘美なスコアを書かせたら天下一品です。
これがモチーフとなって、本編の中で何度も顔を出します。
劇伴は、ミリタリーな雰囲気を持ったスコアや007を思わせるスケール感のあるアクションスコアがちりばめられていて、これまた聴きごたえがあります。
ゴールデン・ハーベスト・プロというイメージが先行してパチモン臭さが気になりますが、
スコアの方はなかなかの力作で、80年代バリーのスコアの中でも屈指の出来とおっさんは勝手に思っています。
年のせいか、おっさんはこういうオールドスタイルなオケスコアを聴くとホッとするのです(笑)
サントラは、公開時にLPが発売されたほか、1990年にはSouthern CrossレーベルからLPと同内容のCDが発売され、
2010年には、BSXレーベルから1500枚限定で、ソースミュージックを含む全21曲66分収録の長尺盤が発売されました。
このBSX盤は、フィルム・マスターからの収録で、Southern Cross盤とはミックスが違います。
現在では、i-TunesでSouthern Cross盤と同内容のダウンロード版が入手可能です。